傘形連判状-犯人隠し-

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「傘形連判状作戦?!」 翔と奏太だけでなく、他のクラスメイト達まで純一に注目した。 「えーと、まず先生に謝罪の手紙を書くだろ。 で、『割った犯人は自分です』って 俺たち三人の名前を書くんだよ」 「三人…?」 「純一まで罪を被るつもりかよ?!」 奏太と翔が同時に問いかけてきた。 「だって、二人だけじゃ傘形に出来ないだろ。 最低でも三人の名前がないと。 俺は別に怒られるのなんて平気だし。 母ちゃんの方が怖いから」 「でも…」 奏太が言いかけた時、他のクラスメイトから声が上がった。 「俺も連判状に署名する!」 「俺も!前に日直の当番忘れた時、 放課後になって『ヤバッ!』って花瓶見たら もう水が足してあったんだよな。 あれも奏太がやってくれてたんだろ?」 「この際、クラスみんなで罪を被って 先生が誰を叱ればいいか分かんなくしちゃおうぜ!」 ーーーあれよあれよと話が進み、 体育の時間に遅れてやって来た男子勢。 クラスメイトの女子がそれに突っ込むと、 男子は恐れることなく傘形連判状作戦を打ち明けた。 そういうことならば、と女子勢も名前を貸すことを快く許可し、 そのうち一人の女子が 「私ちょうど寄せ書き用の色紙持ってるよ。 部活の先輩達宛に用意したやつが余ってるんだ。 どうせだから誠意が伝わるように、立派な紙に書こうよ!」 と言い出した。
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