初のふたりぼっち

3/4
788人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「ナナさん、久々に大人ココアでも作ろうか? ココアは精神を安定させる効果があるよ。」 「そうだな。頼む。」 「それにしても、ナナさんは変わらないね。もうすぐ40なのに、綺麗なままだ。」 「何言ってるんだよ。そういうアキこそ、相変わらずモテるだろ? つい一昨日だって、OL風の女に告白されてた。」 「は? なんで知ってるの? 」 「旬が教えてくれたんだよ。」 「えー!? 旬のヤツおしゃべりだな。。勘違いしないでよ!不可抗力! 僕は今でもナナさん一筋!」 「疑ってないよ。旬も森國と上手く行ってんのかな? 」 「多分ね。 一度別れた時はどうなるかと思ったけど、あっと言う間によりを戻したよね。その後は、仲良くやってる筈だけどな。」 「アレは、森國が悪い。まんまとハニートラップに引っかかって。」 「でも、未遂だったんだし。」 「旬は、気持ちが揺らいだ事に腹を立てたんだ。分からなくも無い。」 「あの時の、森國社長は見てられなかったね。2人が戻って本当に良かったと思う。」 「なぁ。俺たちも、冬雪が居なかったら、別れたりしてたのかな? 」 「どうだろう? 僕には想像がつかない。」 「冬雪が来てから、毎日が戦争だったろ? 」 「そうだったね。最初はお子様ランチ作って機嫌を取ってた。悲しい事を思い出さないように。」 「そうだったな。」 「ナナさんなんて、保育園が休みの日曜日に顧問先に呼ばれて、連れて行った事も有ったよね?」 「あった。あった。あの頃は、俺から離れなかったんだ。」 「保育園の運動会で、ナナさん、泣いてたよね? 」 「なっ。アキだって、入学式で泣いてたろ?」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!