8人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
3年間通った高校を卒業する前に、僕は某大学の医学部を受験した。
受験会場の門をくぐるとき、ふと齊藤さんの顔が浮かんだ。
僕はひとつ深呼吸をして、校門をくぐった。
試験の出来はまずまずだった。
分からない問題もあったが、自分の中では最大限の努力はできた気がした。
僕は受験を終えた安堵と達成感で、高揚した気持ちを抱えたまま、帰宅した。
僕の高校からは数名の受験者がいた。
皆、成績優秀で、誰が受かってもおかしくないメンバーだった。
数週間後、1通の通知が送られてきた。
ポストに入っていた通知を、封をしたまま、母親が僕の元へ届けてくれた。
僕は落ち着きを装って、ハサミで封を開けた。
通知の内容は不合格だった。
最初のコメントを投稿しよう!