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ーーーそして、火曜日。
いつも通りにバイトをこなし、僕は浮き足だった思いで『喫茶chiffon』へ向かった。
その一方で、今日絶対に声を掛けるんだと考えると、緊張と不安に押しつぶされるような感覚に襲われた。
……でも大丈夫だ。彼女なら受け入れてくれる。いつも通りの笑顔を僕に見せてくれる、そう思って重い扉を開けた。
「いらっしゃいませ〜。」
聞こえてきた声に、耳を疑った。
気怠げで、甘ったるい…媚を売ったような声。
思わず下を向いていた顔を上げるとそこに居たのは…茶髪で化粧の濃い女だった。
「…?お好きな席へどーぞ。」
「……あ、はい…。」
僕の頭の中は混乱して、どうやらその場で固まっていたらしい。
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