2673人が本棚に入れています
本棚に追加
「さすが俺の嫁だけはあるな」
「嫁見習い。育休明けて管理人さんが戻ってきたら、私は辞めさせてもらうからね?」
「そうだね。俺のところへ永久就職するために管理人を辞めてもらわなければ、こちらとしても困る」
「はい!?」
「あはは、瑠奈と話していると自分の悩みが小さく思えてくるな」
神様に悩みがあることに驚きだ。ということは言わないことにした。神様だからとか人間だからとか、そういう枠決めがいけない気がする。互いの存在を認知している限り対等な関係であり続けたい。
「ねぇトラ、マオが言ってたけど体調を崩すことがあるの?」
「気にすることはないよ」
「気にするよ。どうして?」
「願いの池は生命力みたいなものでね。水がないということは必要とされていないという意味なんだ」
俺もニートみたいなものだよ、と楽観的に発言するトラの頬を瑠奈の細い指先がつねる。
最初のコメントを投稿しよう!