神様に求婚されました

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「あの、トラ」 「すまないね瑠奈。紹介するよ」  同時に皆の視線が瑠奈に集中した。穏やかな瞳をしているのはトラだけ。他の三人は源と同じような態度を取る。 「翼を生やしているのがカッコウのマオ、兎のイロハと、最後にリスのルキだよ」  すると、三人は瑠奈に鼻を近づけて匂いを嗅ぎ始めた。本日二度目のやり取りに驚くことはしない。 「人間くさ!」 「えっと」 「あ! お前、最近神社を荒らしに来てる人間だな?」 「荒らし?」  敵意剥き出しの三人はトラを守るようにして瑠奈の前に立つ。トラがいかに愛されているのかは分かったけれど、この場を収束させるにはどうすればよいのだろう。 「だいたい何で人間がここへ来れるんだよ!」 「石を積み上げて」 「はぁ!? 人間があの石を積み上げられるわけない」 「うーん」 「人間なんて穢らわしい! 自己欲に満ちた人間なんて敵だ!」  言葉がナイフのように突き刺さるのに否定出来ない。この子達が人間に何かをされたのは間違いないけれど、まともに会話をしてくれそうにないから聞き出せない。
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