見え始めた心の傷

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「何に対しての謝罪だ?」 「意地悪して、そいつに怪我させたのは俺です」  マオに続いてイロハとルキがそれは自分だと名乗り出る。必然的に皆の手も止まり食事ムードは一変、聴講タイムとなった。 「お前たちが人間を良く思っていないのは理解しているつもりだよ。でもね、やっていいこととやってはいけないことくらいわかるだろ?」 「ごめんなさい」 「ショウキもだぞ」  トラの鋭い視線がショウキに向けられその場に起立すると深々と頭を下げる。 「申し訳ありませんでした!」 「人に刃物を向ける行為がどういう意味かわかっているよな?」 「はい。感情をコントロール出来なかった俺のせいです」  トラの深いため息が余計に場の雰囲気を悪化させる。わざとやっているのかと思えてしまうほどだ。
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