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 『当分一緒に学校行くから。駅で待ってて』 一方的に送りつけたメッセージ。 断られると思っていたが返事は待ち合わせの時間と感謝の言葉だった。  駅に着くと満面の笑顔で迎えてくれる太一の姿があった。 さすがにまだ一人で乗るのは恐いだろうと思い一緒に電車に乗り込む。 満員とはいわなくとも朝のラッシュに変わりはない。 知らない人と触れ合う位の距離は我慢しなくてはいけない。 俺は太一をドアの角に押しやり誰も近づけないように太一の正面に立つ。 「近いっすね。」 上目使いで見てくる太一を直視しないように遠くを見る。 不思議に思った太一が背伸びして俺の視界に入ってこようとする。 顔の距離が一層近づいて露骨に顔を背ける。 「ちぇっ」太一が言うとまた甘い香りがしてくる。 無意識に太一に顔を近づけてクンクンと鼻を鳴らす。 この匂いは…? 「また欲しいんすか?」 昨日と同じように唇に挟んでピンクの飴を見せてくる。 昨日の感触がリアルに思い出されて太一と距離を取る。 「もっと傍にいてくださいよ…。」 不安なのか俺を試しているだけなのか甘えたような目で見てくる太一。 太一の口の中に戻っていった飴がカラッと歯に当たる音がして俺は生唾を飲んだ。
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