番外編 [1]

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 俺が下で太一が片腕で体を支え、覆いかぶさるような体制でお互いのモノに触れる。 勃たないかもしれないと不安に思っていたことなど不必要だった。 太一の体は綺麗で、俺が与える刺激に反応して悶える姿は想像以上に刺激的だった。 男女のAVなんかでは得られないほど興奮をしているのが自分で分かる。  お互いのモノを刺激し合っていると先端から溢れる物で手の滑りが良くなってくるのが分かる。 太一は相当我慢しているのか溢れたものが俺の体に滴ってくるのが分かる。 そのたびにゾクゾクとした快感を感じる。 「先輩…。もう、いいすか?」 太一の声に頷いて応える。 動かす手を速めようとすると太一はかわすようにスルッと体を動かした。 「これちょっと入れますね。」 腰の下にクッションを入れられる。 ヌルッとした太一の指が俺のモノを触ってから通り過ぎる。 太一はお尻の穴を縁取るように円を描く。 体がビクッと反応して自分がこれから何をされようとしているのかハッキリと分かる。 穴に指が当てられさっき風呂で試した時の感覚が蘇り飛び起きた。  「おい!待て!お前何をしようとしてる!!」 急に起き上がった俺に心底驚いている表情の太一。 「いや、男同士の場合ちゃんとほぐさないといけないんすよ。」 太一の言わんとしていることは分かっている。 しかし太一は自分が入れることが当たり前のように物語っている。 もちろん俺も自分が入れる方だと思っていた。 「話し合いが必要のようだ…。」 お互い勃ったままの姿で渋々話し合いが行われることになった。  「俺の方が先輩で背も高い。体も俺の方が大きいし、太一の方がかわいい系だ。入れるのは俺だろう。」 先制攻撃をしたのは俺だった。 途中で止められたのが不満なのか拗ねたような顔をしたまま太一が俺を見てくる。 「ここで先輩後輩は関係ないっすよ。体格だってチンコは俺のがでかいし、シコり合いした時だって先輩のが先に逝きましたよね!かわいいのは先輩の方っす。」 必死に言ってくる太一。 太一には俺はかわいく映っているのかと思うとおかしく感じた。 「てか、シコり合いだってほぼ同時だし、チンコでかい方が入れたらケツが死ぬわ!!」 俺も後には引けない。 指一本でも無理だったのに太一のモノが入るなんて想像できない。 「俺は!!…俺は先輩を抱きたいんです。大好きだって伝えたいんです…。」 急に自信なさげに俯きながら言う太一。 それは俺だって同じ気持ちだ。 俺だって太一が好きだし、それを伝えたいと思っている。  いつまでも顔をあげない太一にため息を一つついて「分かったよ…」と言う。 太一が気持ちをそういった形で伝えたいと思うなら俺は受け取ってやろう。 本当は全然納得できていない。 恐怖だってある。 でもそれ以上に太一の笑った嬉しそうな顔が見たかった。 承諾すれば太一は笑ってくれると思っていた。 だから軽い気持ちで答えたのかもしれなかった。 顔をあげた太一は男の顔をしていた。 真っ直ぐに俺を見て欲情しているのがこちらにまで伝わってくるような艶めかしい目で俺を見てくる。 心臓の音と共に下半身に血が巡る。  ふざけ合っていた会話が嘘のように深いキスをされる。 下唇を甘く噛んで上唇に舌を這わせる。 俺の舌を吸って舌をからませる。 何度もしてきたキスなのに頭がボーッとしてしまう感覚に襲われる。 一度萎えた下半身も元通りだ。 太一は何かを取り出して俺のお尻に垂らす。 ヒヤッとした感触が体をビクつかせる。 これがローションか…。 準備が良いな。 いつのまにか太一はゴムまでしている。 本当に俺に入れるんだな。 諦めきれない思いが頭をよぎる。 「いじりますよ…。」 太一の声に体が強張る。 力を抜かなければいけないのは分かっていながらも知らずのうちに力んでしまう。 「手伝いますね…。」 何を言っているのか分からないが恥ずかしすぎて聞き返すこともできない。 太一に触れられた箇所が熱い。 意識しないように目を瞑っていても太一視覚が乗り移ったかのように見ているものを感じる。
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