番外編 [1]

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 頑な入り口をなだめるかのように優しく円を描くようにしてなぞる。 全て見られているかのような感覚が体を一層力ませる。 意識がお尻に集中していると急に萎え始めている俺のモノを掴まれる。 ローションで滑りの良くなった手を小刻みに動かされ力が抜ける。 「うぁっ。」 思わず声が漏れ顔が熱くなる。 そして急な下半身の異物感。 思ってみれば指を入れられたのは初めてではなかった。 風邪をひいて座薬を入れられた時に調子に乗った太一が指を入れてきたのを思い出す。 前を刺激されながらだとお尻で太一の指がどう動いているかが分からない。 「たいっ。うっ…。ぅあっ…。」 いろんな感覚が襲ってきて気持ちいいのか恐いのかもよく分からなくなる。 「二本目入れてみますね。」 わざわざ言ってくるところが太一らしいがまた緊張感が増す。 お尻に集中しそうになると太一も気を紛らわそうと前を触る手を速めたり尿道を刺激してくる。 「やぁっ。それっ…。だめぇ…。」 自分でも恥ずかしい位の声が漏れる。 さっきまでは自分が入れるつもりでいたからあまり声は出さないようにしていたが受け入れる側だと思うと声が我慢できなくなる。 太一が前を触る手を止める。 お尻の異物感だけが残る。 太一の指が何本入っているかまでは分からないが穴を広げるように指が円を描いているのが分かる。 「ここらへんに前立腺があるって書いてあったんすけど分かります?勃ってると分かりやすいって書いてあったんすけど…。」 そう言って太一が中に入れた指で壁を擦る。 「ぅやぁぁっ。やっ、あっっ…。やあっ、それ、…こわいっ。」 ゾクゾクとこみ上げる初めての感覚が押し寄せる。 太一は俺の声を無視して指で円を描いてほぐしながら前立腺を刺激してくる。 「んっ。あっっん…。やぁ…。んぁっ。あぁぁっ。」 恥ずかしげもなくだらしない声が上がる。 「先輩。もういいっすか?」 実際よく分からなかった。 どれくらいほぐれたのかも分からない。 ただ刺激される手を止めてもらえるなら何でもよかった。 頷くと太一の指が穴から抜かれる。 まだ残る違和感にお尻に当たる指とは違う固い感触。 お尻に太一のモノが当たっていると思うとブルブルと腰が震える。 恐さもあったがそれ以上に俺に欲情してこんなにも固くしているのかと思うと興奮が止まらなかった。  再びローションの冷たさを感じ太一のモノが押し当てられる。 ヌルッとした感触と共に急な圧迫感。 「待って!!!!!」 押し込もうとしている太一の手を掴み動きを止めさせる。 「もっ…。むりぃ…。」 こじ開けられたお尻の穴が今にも裂けそうにしているのが分かり涙目になる。 滲んだ目で太一を見上げる。 抜いてほしいと思う気持ちと、今少しでも動けば裂けてしまいそうな恐怖が襲ってくる。 「やっ、どうしよう…。」 ポロッと涙がこぼれる。 泣きたいほどの痛みではないがパニックになっていたのだろう。 お尻の圧迫感が一気に増す。 太一は動いてはいない。 「…てめぇ。大きくしてんじゃねぇよ…。」 涙目のまま太一を睨む。 照れたように笑う太一につられ笑った瞬間にお尻に痛みが走った…。  「や、まじ。すんません…。」 うつぶせになってお尻に薬を塗ってもらいながら枕に顔を埋める。 ヌルッとする感触もエロいものではなくただの治療だ。 太一のモノが入ったまま笑った瞬間穴が裂けた。 慌てた太一が急いで抜いて傷が深くなった。 痛みと恥ずかしさで動けない俺の世話を嬉しそうに太一がしてくれた。 ローションと精液で汚れた俺の体を拭き止血し薬を塗ってパンツまで履かせてくれた。 シーツを少し汚してしまったがそれすら嬉しそうにしていた。 シングルのベッドに男二人が寝るのは狭かった。 太一のお願いで腕枕をしてやる。 「今日は痛い思いさせてすみませんでした。でも俺今めっちゃ幸せです。」 俺の胸に顔を埋めながら言う太一。 頭をポンポンと撫でながら太一の頭にキスをする。 「俺もだよ。お前のが入るように頑張るから…。」 自分で言ってて恥ずかしかった。 何を頑張るんだ。 自分で穴を慣らしておくって宣言か? そんな恥ずかしい事言ったのか? そんな考えが頭を埋め尽くす。 太一に顔が見られなくて良かった。と思っていると急に顔をあげる太一。 「ダメっす!勝手に穴広げるような事しないでくださいよ!!俺が吉平先輩の穴を広げるんすから!!穴も俺のもんです!」 よく分からない宣言に呆れながらも笑う。 太一も嬉しそうに笑いモゾモゾと上がってきてキスをする。 一度だけでは物足りなくてもう一度唇を合わせる。 何度か角度を変えてキスを交わすうちに、太一の顔が可愛さをなくし男の表情に変わり背中がゾクリとした。 ---END---
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