番外編 [2]

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「…っ随分余裕そうじゃないですか。」 ニヤリと笑う太一に嫌な予感しかしない。 太一は動かす手を止めて親指で俺の先端を刺激してくる。 くぼみに親指をねじ込むようにされると腰がビクビクと浮きそうになる。 「ほら、先輩…。またたくさん溢れてきましたよ。」 太一は空いた手で溢れ出る物を指ですくい俺に見せつけてくる。 AVかよ…。 頭で突っ込みを入れながらも恥ずかしさで顔が熱くなる。 太一は躊躇うこともなくその指を舐めて見せる。 艶めかしい太一の行動に唾を飲む。 「もぅ、いきたい…。」 お願いするように太一の顔を見上げる。 太一も嬉しそうに頷いて組んだ手を動かす。 敏感な先端が太一のモノに当たるたびに快感が走る。 「んあっ。んんっ…。もっ…。あぁっ…。」 太一が俺の声で興奮するなら聞かせてやろうとわざと声を漏らす。 太一の顔を盗み見ると、もう余裕はないのか眉間にしわを寄せて苦しそうにしている。 その表情が妙に愛おしく感じる。 「んっ…。」  今度こそは太一より後に逝こうと思っていたのに今日も先を越してしまった。 太一が乗かっていたからか足が痺れている。 脱力感と痺れからベッドに横になる。 太一はスッキリしたかのようにテキパキと後片付けを始める。 丁寧に俺のモノも拭いてくれる。 ここまで来ると恥ずかしさも感じなくなる。 太一にパンツも履かせてもらうと隣に太一が倒れこんでくる。 「先輩。最高に可愛かったっす!」 意気揚々と話す太一に男が可愛いと言われても嬉しくないとは言い返せない。 呆れるように笑って太一の頭をポンポンと撫でる。 本当普通の時は太一の方が可愛いのにエロいことになると急変するもんだからタチが悪い。 「なぁ、なんでお前エロいことする時、性格変わんの?」 率直に太一に聞いてみる。 太一はキョトンとした顔で俺を見返す。 「先輩がその方が嬉しそうだからっすよ。」 言われて顔が熱くなる。 意地悪な事を言われて喜ぶような性癖はないはずだ。 「んなことねぇよ!!」 具体的な反論ができずに否定だけする。 「はいはい。じゃぁ、俺が先輩の事いじめるのが好きなんすよ。」 太一はなだめるように言ってくるので真実味が増す。 「だから!!!!」 俺はムキになって言い返そうとするがそのたびに太一に流された。 太一には言えないが確かに太一の言葉に欲情している自分がいる。 でもそれを認めるのはまだ少し怖い。 いつまでもくすぐり合ったり笑いあったりしていられなくなる気がした。 今のままでいたい。 先に進むことも興味はあるがゆっくりと太一と歩いて行きたいと思っていた。 ---END---
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