番外編 [4]

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番外編 [4]

 太一と交わった直後は平気だったが次の日が悪夢だった。 いつも使わない筋肉を使ったからなのか、全身筋肉痛にお尻の違和感が未だに残って少しヒリヒリとした。 当人の太一は筋肉痛など微塵もないと言う。 それに加えて「昨日のはまだ半分しか入っていない」などと言うのだ。 全部入れられた時にはまたケツが裂けるだろう。 恐ろしさで軽く身震いする。  前回した時から一週間が経とうとしていた。 何かと理由をつけては二人きりにならないようにしていた。 一回できたからと言ってすぐに次もできるほど俺は強くない。 しかし毎日のように誘ってくる太一をかわいそうに思う気持ちもあった。 逃げ切るのはもう無理かと太一の誘いを受ける。  太一の希望で今日は家に来ることになった。 キスをして甘い空気が取り巻く。 押し倒されそうになってから太一にストップをかける。 「ちょっとまだケツが本調子じゃないから本番はなしで…。」 自分で『本番』などと言って恥ずかしくなる。 太一は不満そうな顔を一瞬したかと思うと俺のズボンを脱がしパンツを下げる。 ベットに押し倒され無理やりキスされる。 噛みつくようなキス。 首元をざらつく舌が這っていく。 鳥肌が立つのを感じる。 シャツのボタンを外され乳首を舐められる。 太一の片手は既に俺のモノを握っている。 軽くしごかれながら乳首を舌で転がされる。 「っん。」 乳首で感じていると思われたくなくて声を押し殺す。 腫れあがりそうなくらいに吸ったり舌でしごかれたりする。 「ふぁっ。」 マヌケな声が漏れて太一の頭をどけるように手で押す。 太一は押されるようにして下にずれていく。 解放された事に安堵する暇もなく下半身に強烈な刺激が走る。 生暖かくてねっとりしていてざらつく感覚。 渋々下を覗き込むと太一が俺のモノを咥えこんでいる。 「たいっ。やっだ…。」 太一が吸うようにして唇でしごくように動くと腰が勝手に持ち上がる。 「やぁっ。あっっ…。あぁぁっ…。んんぅ…。」 声が止まらない。 「ほえ、ひもひいへふか?」 太一が俺のモノを咥えたまま喋るので歯が時折ぶつかりビクッと反応してしまう。 先のくぼみに舌をねじ込ませて裏筋に舌を這わせる。 恥ずかしいのに太一の姿を見ていたくて体を持ち上げる。 やらしく俺のモノを口にする太一に興奮が止まらない。 再び口に含まれ上目使いで見られると俺は呆気なく逝ってしまった。  太一は俺が逝ったのを確認すると満足したかのように後処理を始める。 「お前はいいのかよ。」 太一に拭かれながら聞く。 「俺は家ででも抜きますよ。」 裏表のない笑顔で言われると心が痛む。 「全部入れんなよ…。」 俺は決心して太一の手を取る。 太一の提案で俺が上になることになった。 痛かったら動かなければ良いし、ちょうどいい所で調整できるからいいだろうとの事だった。 太一にお尻をほぐされながら太一のモノに目をやる。 既に大きくなっている。 俺は太一に触れることもしていないのに太一は俺の体や反応だけでこんなにしてくれているのかと思うと嬉しかった。  太一の合図で体勢を変える。 お尻に太一のモノをあてがうとビクッと体が反応してしまう。 ローションまみれのモノを押し込むと意外にもスルッと入った。 痛みはないが異物感はある。 AVのようにまたがって動こうとするが腰が持ち上がらない。 動きやすい体制を模索するように膝を付く。 『馴染むまで』と言って太一が俺の体を引き寄せる。 太一の体温が愛おしい。 口づけを軽くかわしてから状態を起こす。 太一の言う通りゆっくりと動く。 上下に動くよりも前後に動くほうが楽なようだ。 太一もちゃんと感じてくれているのか耐えている表情をしている。 やっぱり早い方が太一も気持ちいいよな…。 そう思い慣れてきた動きにスピードを加える。 太一も驚いたような顔をしてから俺のモノを握ってくる。 自分の動きでしごかれ穴を突かれどこに集中していいか分からなくなる。 ただ太一が気持ちよさそうにしてくれることが嬉しくて力が尽きるまで動いた。  結局俺の体力が先に尽きてしまい最後は抜き合いで終えた。 俺の体を心配する太一を抱きしめて頭をグリグリ撫でまわす。 大好きな気持ちは言葉や体以外にどうやったら伝わるのだろうか。 抱き合っても触れ合ってもそれでも、まだまだ足りない。 自分がどんどん欲深になっていっているのが分かるが止めることができない。 太一が傍にいてくれればどんな事も恐くないとさえ思えた。 太一という存在が俺の中の大半を占めていることに太一は気が付いていないんだろうな。 俺の胸の中でもがく太一を愛おしく思いおでこにキスをした。 ---END---
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