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突拍子もない話だ、信じないのが普通だろう。だがそれは出来なかった。少女の声にはそれを信じさせる必死さがあった。
「その時はあまり気にしなかったわ。知らない人から見えてなかっとしても関係無いもの、疲れてるとかそんな所だろうってそう思うことにしたわ。でもそれに気付いてから数日経った日、身長が縮んでる事に気づいたの。言ってなかったけれどこれでも高校三年なのよ?」
流石に馬鹿馬鹿しくなってくる。見えない上に身長が縮む?そんなことが怒るはずがないだろうと、すると少女は何かを取り出す。
「これ、生徒手帳」
それは隣町の高校の生徒手帳だった。
確かに面影のある、と言うよりもそのまま少し若くしたその子が写っていた。
「小さくなった事に家族は違和感はなかったみたいよ。一ヶ月位で身長は縮まなくな
ったわ。けれど、一昨日よ、家族も私が見えなくなった。見えない、と言うよりも忘れてしまったわ。私はいなかったことになってた。そうして隣町まで出てきてさまよっていたらあなたが居たの。」
それが全てだと、少女は語った。
「信じられない、けどその話が本当なら急に君が現れた説明も付かなくはない。だが……」
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