番外編

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 着替え……あっ、そういえば私、制服のままだった。  神田くんの家で過ごすときは基本的に制服だったため、ついその癖で彼といるときは制服のままだと無意識に考え、着替えなかったのだろう。  逆に神田くんは和服に着替えることが多いけれど、今日は私の家のため制服のままというのも確かに新鮮な気がする。  いつもは大人びて見える神田くんが、ちゃんと高校生しているって感じで嬉しい。 「ほら、着替えておいで未央。シワになっちゃうよ」 「うん、わかった!」  神田くんに流されるまま、私は自分の部屋へと向かい、薄ピンクのルームウェアに着替えた。  この時期、肌寒くなっているため、袖や裾が長いのは欠かせない。  けれど、男の人はやっぱりショートパンツだとか、ワンピースとかの方が嬉しいのだろうか。  こう、女らしくてドキドキしてくれるみたいな……けれど、以前“あんなこと”があったために、着替えるのを躊躇ってしまう。  それは過去に神田くんの家へ泊まった日のことだった。  お風呂から上がって一緒に部屋で寛ごうと思っていたけれど、なぜか私の服装が神田くんを刺激してしまったらしく、ベッドに押し倒されて強引に手を出された経験があった。  一応未遂で途中までだったけれど、それでもあのときは怖くてつい泣いてしまった。  それ以降、特に関係にヒビが入ったわけでもないけれど、あのときの話は一度もしていない。  原因は私にもあったみたいだし、気をつけようと思っている。 「……そういえば」  あのときはショートパンツを履いていた気がする。
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