接近

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図書室に行くたび、その人と会うということはなかったけれど、たまに見かける時もあった。 もちろん話しかけることはできず、時間だけが過ぎていった。 そして高校二年生になり、始業式のあったその日。 私は目を疑った。 なぜなら、同じクラスにその人がいたから。 てっきり先輩だと思っていたから、私は驚きを隠せなかった。 けれど彼は周りに興味を示さず、自分の席でずっと本を読んでいた。 周りは彼に視線を集めるけれど、そんなのはお構いなしの様子だった。 堂々と、自分の好きなものに没頭している。 その姿が容姿以上にかっこいいと思った私は、さらに彼に興味を抱くようになった。 しかし私は一言も話しかけらないまま、気づけばもう二年生になって二ヶ月が過ぎようとしていた───
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