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「洸夜……」
「さっきの……あおはやとの会話、聞いてた……よな?」
わたしは無言で頷いた。
「そういうことか……」と洸夜が大きなため息をついた。
「いつものあおはやらしくないと思ったら……そっか……」
洸夜はベッドに崩れ落ちるように座ると何かを考え込むように黙った。
「ごめんね……ふたりが突然帰ってきたからびっくりして……だから……」
わたしの言葉が洸夜には届いていないみたいだ。無反応だし、項垂れて固まっている。
「洸夜……?」
何かを決意したように洸夜が顔を上げてわたしをとらえるから、心臓が跳ねあがって体が強ばる。
「美紅……俺は……」
ベッドから立ち上がりわたしに近づいてくる洸夜を避けるように距離をとった。
今のわたしは何を言われても洸夜の言葉を素直に信じられない。
だから……。
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