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学校に通うのをやめた女の子は、毎日詩を書いてすごした。
絵も描いた。
ピアノも弾いた。
けれど、どれだけたくさん詩を書いても、絵を描いても、ピアノを弾いても、女の子の悲しい気持ちが癒えることはなかった。
こんな手でさえなかったら、私だって誰かと手を繋ぐことが出来たのに。
女の子が思い切って手を切り落とそうとしたその時、玄関のベルが鳴った。
そこには、幼なじみの男の子が立っていた。
「きれいなピアノの音が聞こえて、ここに来たんだ」男の子ははにかんで言った。「久しぶりだね──覚えてるかな」
男の子は病気がちで、学校を休むことが多かったのだ。
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