6人が本棚に入れています
本棚に追加
「もしエヴェラスタであるなら、入ればエスパーダの方から来るかもしれません。自身のテリトリーですし」
「一応、エヴェラスタを守ってるって自称してんだから、気づかなかったらとんだ間抜けだしな……」
「しかし実地調査を行なっていないのに、澄男さまを行かせるのは危険では」
「……いや、実地調査なんざしてたら時間が足りなくなる。俺らがさっさと行けばすぐに分かる事だ」
御玲の疑問を被り気味で言い詰める。
正直これ以上ウダウダとここで燻るのはごめん被りたい。
実地調査って言ったって、それがいつ終わるのかも分かんないし、その間ずっとここにいるなんて時間の無駄だ。
敵の正体と大雑把な拠点の場所は銀髪野郎の情報で分かったワケで、後は経緯というか、因果関係をさっさと知りにいくだけ。ウダウダと足踏みする意味はない。
「ちなみにエヴェラスタは氷山ですし、然水氷園もかなり寒い気候ですから、澄男様は必ず防寒装備をしていってくださいね」
「んあぁ……凍土だしな。寒いのは動きが鈍くなるから苦手なんだが、この際しゃーねぇ」
弥平は、ははは、と作り笑いを浮かべた。
暑いのと乾燥してるのは平気なんだが、寒いのとジメジメしてるのは苦手だ。
動きも頭も鈍くなるからできれば近寄りたくないし、ずっと寝て過ごしたくなってしまう。だが当然、ンな事を言える立場じゃないから我慢するが。
最初のコメントを投稿しよう!