1207人が本棚に入れています
本棚に追加
やっと言える。今ならきっと、間違えずに碧に尋ねられる。
唇がふれそうなほど間近に碧の顔がある。その両腕は私の背を抱いて優しく撫でてる。
「あ、碧」
呼び捨てしてもいいかな。貴方との距離が近付く。
「はいはい」
にこやかに笑う碧がここに居るだけで、心が暖かくなる。
「碧を愛しても…… いいですか?」
言った! やっとやっと言えた!
私はかなり必死な思いで言葉にしたのに。何故か碧は吹き出した。唖然とする私と、さらに声を出して笑い出す碧。
「どうして笑うのっ」
「ご、ごめんね」
きらきら笑顔で見つめたってだめなんだから。
だめ―― じゃない。
「んっ……」
吸い込まれたのは私? 碧の唇が重なり強く抱き寄せられる。
鼓動が重なり合いそう―― 唇がとても熱い。
最初のコメントを投稿しよう!