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「大々的な披露宴をしろ、それが出された条件」
今度は二人の目が揃って私に向く。私は平凡な庶民なんですっ…… 碧を愛するだけじゃだめかしら。
「頼めるかな、樹里」
まるで契約の続きみたい。じっと見つめる瞳に応える覚悟が必要。
ウェディングドレスにキャスケードブーケ。いつかは大好きな人の隣でと夢見ていたけれど。
大々的な披露宴…… ハードルが高過ぎる。
「樹里? 困ってる?」
きっとこれが最後の選択。もう間違えたりしたくない。
「全て碧にお任せします」
やったあ、祐希くんが声に出して喜んでくれる。碧はちょっと目を細めてやわらかに微笑む。
「よかった、あまり日が無いから忙しいよ」
え…… 碧の一言に固まった。既に日時まで決まっているの?
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