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「いただきます」
祐希くんが、碧の前に置かれたグラスを手にして一気に口の中へ。呑み干すとふぅっと浅く息をつく。
「うわ、これ強いな」
そう言って今度は自分の前に置かれたグラスを片手に持つ。
「貴方もどうぞ」
美奈さんに勧められて私もグラスを手にする。
「樹里、無理はするな」
「かなり重いよ、樹里さん」
時々ワインは口にしている。カクテルぐらい大丈夫。
「結婚なさるのでしょう、おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
美奈さんのグラスと寄せ合い乾杯の仕草。赤い唇が煌めくルビー色を呑み込んでいく。
引けないわ、絶対に。私もグラスに口を付ける。見た目よりずっと苦く後から甘みが広がる。
ひぇっ、濃い、アルコール度数高過ぎ。
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