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「具合はどう、大丈夫?」
隣から私を見下ろして、額に手をあてる。
「樹里? まだ気分悪い?」
じっと碧を見上げる。私は首を横に振る。
「夢を見たの」
「夢……?」
「素敵な人の夢」
ひどく身体はだるいけど、美奈さんにちょっとだけ感謝しちゃう。
「誰の夢を見たの、妬けるな」
「……んっ」
かがみ込み碧が私の唇を塞ぐ。
忘れ得ぬ記憶―― まさか思い出せるなんて。
「……あ、碧、あのっ」
「妬かせるから」
あ、明るいっ。間近に迫る碧にドキッとして思い出す。昨夜の夜の出来事を。
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