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『レンタルでかまわないわ』
『いいから、希望を話してごらん』
誰よりも綺麗な君を皆に見せたい。それは樹里には秘密にしておこう。
「じゃ、また結婚式で」
「あぁ、宜しくな」
今日は式の準備、社に戻れば就任の準備が待っている。
樹里と二人、式の打ち合わせに向かう。父さんに指定されたグランドホテルは高級で有名。
「私が選んでいいの?」
「花嫁さんは口にできるかな。忙しくなるからね」
「甘いクリーム系リキュールをそのまま冷やして飲んでいる感じ」
ガリアーノにホワイト・キュラソー、オレンジジュース、生クリームを加えたなめらかな口当たりのカクテル。
「Golden Dreamでございます。女性に人気がありますのよ」
会食担当者に勧められたカクテルに決定し、会食メニューを試食する。
永遠の夢―― 素敵ね。隣に寄り添い笑う樹里が愛しい。もうすぐ、嘘が真実になる日が来る。
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