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式はホテルに隣接した教会で、近い関係者を招いて。その後に『大々的な披露宴』が待っている。
古くからある大聖堂を思わせる造りの教会。ステンドグラスが自然光を浴びてキラキラと煌めく。
「扉を開けましたら、ゆっくりとお進み下さいね」
バージンロードを一歩ずつ、父と腕を組んで歩く。
『招待客はじゃがいもだと思って』
緊張のあまり私が転んだりしない様に、碧はそう言って笑ってた。
優しい眼差しが私に向く。神父様を前にして碧の横に並ぶ。結婚の誓約の誓いを交わす。
「誓いの口づけを――」
額にかかるレースを碧が上げる。その手が肩に降りてきて、顔を傾けた碧が……
「あ、碧?」
「新郎、どうされました!?」
碧の顔が、私の肩へとズッと落ちた。
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