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「最後まで間違いだらけだな」
髪を掻き上げて碧はゆっくりと目を閉じる。
「最後じゃないわ」
ここから始まるの。碧を見つめてつぶやいた。
おっきなシャンデリアがいったい幾つ? あちらこちらに飾られた生花に、足元は柔らかな絨毯。高そうな内装にたじろぐ。
「本当に大丈夫なの?」
「ひと眠りしたからすっかり」
注射もして頂いたけど、なんだか言い損ねちゃった。
『ご案内致します』
司式進行のアナウンスが会場内に響き渡る。
ライトダウンされた中をスポットライトを浴びて碧と進む。
『盛大な拍手をもってお迎えしましょう』
……じゃがいも、じゃがいも、じゃがいも。
「樹里、おいで」
「はい」
貴方の手を取り壇上へと上がる。私達の披露宴はこれから始まる。永遠の愛を誓う為に。
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