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時間をかけてテーブルラウンドを終わらせる。選んだ会食も好評で、壇上に戻った頃にはデザートブッフェが運ばれ出してた。
「それでは――」
ようやく一息つけるかしら、なんて思っていたら。
『新郎新婦様、こちらにどうぞ』
司会者が指したのはリングピローの前。
「なんだ、段取りに無いだろう」
『早くおいで下さい』
マイク越しの声に、戸惑いながら碧と二人でそこへ立つ。
「樹里さん、ちょっと失礼」
美奈さんに顔の前にベールを下げられる。
いったい何が行われるの? 碧も私もわからないまま進行される。
『先程、都合により中断されました――』
誓いのキスを―― 場内は歓声で湧き上がり、ところどころからは拍手まで。
「こんなに大勢の前でっ」
身内だけのさっきとはまるで状況がっっ。
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