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『指輪の交換となります――』
ドキドキしてる私を気にもせず、進行はどんどん進む。互いにリングをはめ合うと、今度は間違いなくピタリと指に収まる。
『新婦を一生愛し守ることを誓った新郎だけが、両親に代わってそのベールを上げることができるのです』
「樹里」
碧が私の顔を覆うベールをゆっくりと上げる。
徐々にライトダウンされていく中を、アナウンスの声が響き渡る。
『さぁ、いよいよ誓いの口づけを――』
中止されたはずのフラワーシャワーの中で、碧と誓いのキスを交わした。
花びらが舞う。碧の声が聴こえる。優しい表情が私を見つめてる。
「貴方を一生、愛します」
同じ色の夢を見よう―― 碧が耳元に囁いた。
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