1200人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
「ごめんね、また後で」
視線が痛い…… 穂乃果さんが首を傾げてこちらを見てる。
そうなの。碧が連れて来たのはなんと勤務先の会社! どうしてなのか説明して欲しいのに。
「車出されたから、会社だとは思いませんでした」
「用を先に済ませましょう」
後で食事に行きましょうか、って。上手く碧にごまかされる。
なんとなく、嫌な予感がし始めてた。
「碧さん、聞いてないですっ」
「言ったら付いて来てくれました?」
うっ。たぶん、いえ、おそらく無理でした。
「碧です、失礼致します」
重厚な扉を押す。一度だって入った事もない。
『社長室』そう書かれたこの部屋に。
こ、怖い。きっと正面にドンッと構えていらっしゃるのは我が社の社長に違いなく。
「どういうことだ、碧」
私も聞きたい、どういう事なのいったい。
最初のコメントを投稿しよう!