love of my life

18/18
1200人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
 碧さんを恨めしげに見上げても、相変わらずの笑顔。社長室でもスマートさは変わらず。 「どうぞ、樹里さん」 碧の部屋にあるよりも、がっしりとした黒い革張りのソファへ。 「突然で驚かれたと思いますが」 なんだ、社長は顔をしかめながら私達の正面へ腰を掛ける。  こ、怖い。威圧感がすごくて、私はおどおどしちゃうのに、碧はあさっり言い放った。 「結婚しましたよ、父さん」 こちらが樹里さんです―― 私の肩を抱き寄せる。  はい、私が樹里です。……じゃないっ。 「お父さん!?」 えーと。確か此処は社長室……! 「碧、説明をしてくれないか」 「言葉通りです。結婚しました、樹里さんと」 もぉ、解消したい。碧さん、ずるい。  なのに言っちゃう? 社長を目の前にして。 「俺の可愛い人です」 碧の声にドキッ。顔から火が吹きそう。  でも、これは契約結婚―― ぎゅ、って。心がきしむ音がする。
/147ページ

最初のコメントを投稿しよう!