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三階の方って男の子だったっけ――
見惚れてる場合じゃなかった、水漏れ!
「あの、水が凄いんですけど」
「まさか下の部屋までいっちゃいました?」
はい。かなり悲惨な状態です。
「風呂の水、出したまま寝ちゃって」
自動ストップしないのに。溢れさせたのね。
「うちは風呂場に続くキッチン位ですけど……」
「私は部屋の中に雨! わかります?」
どうやら被害状況は階下のうちの方が酷いみたい。
えー、じゃない。叫びたいのは私よ。
「ごめんなさい」
しゅんと沈んだ様子にそれ以上責めたら可哀想になってしまって。
「もう、いいわ。気をつけてね」
「本当にすみませんでした」
猫みたいなクリッとした瞳も可愛らしくて。
泣き寝入りだなぁ、なんて思いながら自室ヘ。
「うーん、どうしよう」
座るところさえ無い様な水浸し状態。
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