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romantic triangle
碧が社長の息子と判明して、かなりの戸惑いはあったけれど、既にお引越しも済ませてしまった後。
「社長、顔が強張ってましたよ」
「いつもあんな表情ですから」
私の心配を他所に、碧はさっぱりしたと笑う。
「嫌でしょう? 父の言う相手と結婚するのは」
記憶に無い婚約者がいる、確か碧はそう話してた。社長が無理矢理決めた相手だったのかな。
勝手に解釈をしていたのだけど。それでもこの関係がまだ腑に落ちない。碧だったらこんな手のこんだ真似をしなくてもはっきり断われた気がしてた。
「樹里?」
「は、はいっ」
名前を呼ばれるとまだ緊張してしまう。
「よかったら、やっぱりうちでお祝いしませんか」
「お祝い?」
本当に碧のお嫁さんになったみたい。そんな事を言われたら勘違いしそう。
「二人でゆっくり、ね」
碧の微笑みは無敵。逆らえる気がしない。
「了解、だんな様」
顔を見合わせて笑ってた。
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