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まやかし
人間の情動は心理面と生理面、どちらから始まるのだろうか。
吊り橋効果を知っているだろうか、いや知っていることにしよう。
不安定且つ高所にある吊り橋を男女で一緒に渡ると、なんか携帯番号を貰いやすいというふざけた実験だ。
この実験が証明しているのは恋をしたからアドレナリンが出まくるのではなく、アドレナリンが出まくるから恋をするのだ。
恋をしたときに刺激される脳の部分は、チョコレートを食べた時、カネをもらった時、ドラッグを使った時と同じだ。
恋がいかにくだらないことかわかっていただけたと思う。
その上、恋は人を壊す。
ソクラテスは恋を「狂気」と称し、弟子のプラトンは「深刻な精神病」と呼んだ。
恋愛度が高い人間は、不安障害や鬱である割合が多い。
つまり恋愛感情というのはまやかしであり、カネやドラッグで補え、我々の精神をむさぼり喰らう。
それでも。
それでも私は。
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