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何故かよく眠れなかったので、いつもより早めに家を出て会社へ向かった。
1本早い電車に乗るだけで、車内がかなり空いているので座りながら会社へと向かうことができた、ラッキーだ。
会社についてもフロアには人がまだいなかった。自分のデスクの掃除でもしようと思った時に、宮下がフロアに入ってきた。
「おはよう、宮下」
「あ、おざます、、武田さん今日は早いんですね」
宮下はいつもより大人しいようだ。昨日あの後も盛り上がって、遅くまで飲んでいたのかもしれない。
黙ってる2人にとってはこのフロアでさえ広く感じてしまうので、しんみりした空気を壊すために朝の挨拶をしようと思い、宮下の後ろにこっそり回り込んだ。
ピストルの形に変形させた右手を宮下の後頭部に突きつけて、僕は叫んだ。
「バン!」
その瞬間、体全体に大きな衝撃があった。
体が後ろへ吹き飛ばされ、壁に打ちつけられた。
頭を軽く打ち、意識が朦朧としている。
わけがわからないが、立ち上がって宮下を確認する。
「え、宮下、なに?ごめん、なんかあった?」
宮下は机に突っ伏していて、動かない。
状況が理解できない、宮下が仕掛けたドッキリだろうか。
「宮下?なに?大丈夫?」
揺さぶって起こそうと試みるが、宮下は揺さぶられるたびに頭をゴロゴロと左右に動かすだけで、その都度、赤い液体が額に空いた穴から流れ出てくる。
なんだろう、状況が理解できない、揺さぶられる宮下を見ていたら急に吐き気を催して、床に吐いてしまった。
しばらく床にうずくまって吐いていると、フロアに何人か入ってきたのがわかった。
僕ら2人の状況を見て、しばらくすると大きな声で騒ぎ出した。
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