1 始まり

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その事実を知ってからというものの、私は未だ部屋の隅にちんまりと座って、ガタガタ震えている。 私は…なぜこうなった…。 さかのぼること、数日前。 私は、幼い頃から通い続けていた塾をやめた。 塾から帰る度に毎日、お母さんに愚痴を言っていたためだろう。 眼鏡のおじさん先生が…とグチグチ。 字が汚いやら教え方が下手やら、そのくせ説教だけが長々しいなどなど。 そうしたらお母さんがぱっと思いついたように、明るく言ったのだ。 「それなら、お祖父ちゃんの塾に行ってみたらどう?」 お母さんの言うには、 ここから車で二十分ほど行った田舎町に、お祖父ちゃんが長年開いている塾があるらしい。 そこには私と同い年の子が四人いて、四人共とても仲が良く、更にとても良い子達だから、私もすぐ打ち解けられるだろう、と。 新しい友達ができる機会だと思ったし、 何より気軽に行くことができる塾だと想像できて…楽しみにしてたのに。 この…現実は…あまりにも厳しい!
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