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「い、いや全然いいんだけど…。
このツリーハウス見つけたの、奏なんだよ。
奏が俺らに紹介してくれて、それで仲良くなったんだよな」
「そう、なんだ」
勇希くんが遠い目をして言った。
今の状況で奏くんが三人に何か紹介するとは思えない。
ましてや、奏くんがこれを見つけるという事すらも…。
私が様々な疑問に覆われて悶々としていると、勇希くんが急にふっと笑顔になった。
「でも侑華が気にする事じゃないからな!
昨日はほんっとごめん!」
そう言って、ぱちん!と両手を顔の前に合わせ、大袈裟に謝る勇希くんに、私もつられて大きく首を横に振った。
ほっとしたような勇希くんの顔は、やっぱりどこか悲しげで。
私は自分が発した言葉に深く後悔した。
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