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「っ……。」
顔を上げ、目を開けた奏くんと、いきなり真正面で向き合う。…き、緊張…。
寝顔が可愛ければ、普通の顔はかっこいい。
そう、どこかで聞いたことがある。
…それは、当たりだ…!
都会でも見たことがないほど、イケメンだった。
ぱっちりとした大きな黒目、シュッと通った鼻筋に、綺麗な形で結ばれた唇。
そんな顔で、じっと見つめられたら…。
う、動けなくなってしまう…!
そのまま何秒か見つめ合い、…奏くんは、ふぅ、と大きく息を吐くと。
「…おやすみ。」
「……っ?!」
え…ええ?!
「よろしく」の一言もなし?!
いや、もしかすると「おやすみ」=「よろしく」って事なのかな…。
いや、そんな訳あるかーい!!
奏くんは再び目を閉じると、また寝てしまった。
「ごめんね…侑華ちゃん。
本当にいつも、この調子なんだ…。
許してくれる??」
そう、犬太郎くんが困り顔で言う。
なんでこっちも可愛いんだ!許す!許します!
私は声には出さずに、こくんと頷いた。
…にしても…初対面なのに挨拶も無しで、勝手に寝るなんて。感じ悪い…っ。
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