私の傘は、カワイイこうもり。

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私の傘は、カワイイこうもり。

ぽつ、ぽつ、ぽつ…ポツポツポツッ。 ザー…ザー…ザー…。 6月。水無月。梅雨、真っただ中。 「あー…やっぱり今日も雨だぁ…」 その日は、図書室に用事で帰りが少し遅くなってしまった。私は鞄の中から、折り畳みの「傘」を取り出した。 しゅるっと傘のベルトを外し、いつも私を雨から守ってくれるこの子に声をかける。 「こうもり。今日も頼むよ」 「キキッ、カシコマリマシタ」 手の中の「傘」…「こうもり」がふわりと宙に浮かんだ。 西暦××××年。6月。 昔々、傘は私たち人間が自らの手に持って雨から体を守る為のものだったらしいけど…今の傘は違う。 従来通りの使用方法はもちろん。AIなどの機械を組み込んで女性や子供、老人などを中心とした、家庭用の防犯ロボットとして、私たちの間に浸透している。
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