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どうして?
あたしが一体何をしたっていうの?
聞きたいことは山ほどあるけれど、怖くて口にはできない。
無言で震えているこだまの目の前に、リッコちゃんはキーホルダーをぶら下げた。
淡いブルーのイルカのキーホルダー。
それは五年生の時にリッコちゃんの思いつきで、それぞれ色違いで買った『友達の証』。
「こだまちゃんが悪いんだよ? せっかくあたしが友達になってあげたのに、中学に入った途端に別の子と仲よくするんだもん。そういうの、裏切り行為だよね? 」
リッコちゃんは力任せにキーホルダーのチェーンを引きちぎり、それをこだまの足元へ放り投げた。
薄っぺらいイルカのチャームが、「カチャっ」と安っぽい金属音を立てて、こだまのつま先に当たる。
「じゃあ、そういうことだから」
床に転がったバラバラのキーホルダーを見つめたまま微動だにしないこだまを置き去りにして、リッコちゃんは教室を出て行った。
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