痛みの記憶

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リッコちゃんから個別でメッセージを受ける前日、これ以上学校を休んでは、ママとパパに不審に思われるかも知れないと思ったこだまは、勇気を振り絞って登校した。 教室内の空気は、こだまの想像以上に彼女に冷たく、机に腰掛けているだけで、誰かに消しゴムを投げられたりもした。 やっぱり、来るべきじゃなかった……。 我慢の限界を感じた、一人ぼっちの昼休み。 早退を申し出ようと職員室へ向かい始めたこだまの腕を、誰かが引いた。 ついに暴力を振るわれるかも知れない。 そう思って咄嗟に腕を引っ込めたら、こだまと同じくらい震えているその腕も、すぐに引っ込んだ。 「……ご、ごめんね。こだまちゃん……」 「……マユミちゃん……」 「……ちょっと、こっちに来てもらってもいい?」 驚きと恐怖に目を丸くしているこだまを、とても申し訳なさそうに見つめながら、マユミちゃんが背後の女子トイレを指した。 ……これは呼び出しに違いない。 こだまが首を振ろうとしたら。 「……多分、こだまちゃんにも悪い話じゃないから……」 と、マユミちゃんがこだまのセーラ服の袖を掴んだ。
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