4人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
あれだけ、側に在ったのに
あれだけ、側に在ったのに。
あれだけ、望まれて、甘かったのに。
探し物に似ている。
昔、貰った手紙を舐める様に読み返して。
それから、目の付く、そう。部屋の壁のセンスの良い位置にクリップで止めて。
何日も、何日も。
次第に、新しい物が増えていって、少しずつ、少しずつ、意識から離れて。
でも、
急に思い出して、触れようとすれば、探さなくても何処にあると、わかってて安心する。
そうして、頻度も減っていって。
だから、無くなった事に、気付けない。
だから、思い出すことも、無いのだろう。
あれだけ、側に在ったのに。
最初のコメントを投稿しよう!