第六部 二 実家にて

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 仕方がないので、さっき買ってきたサイダーをグラスに分けて出した。 「お菓子は好きなの適当に食べて」 「おう、ありがとう」  コンビニの袋ごと差し出すと、晃輝はその中からスナック菓子を選び出して開けた。 「今年はクリスマスゆーこさんと一緒に過ごせた? あ、もう去年か」 「おかげさまで」 「彼氏ならアリなんだな」 「ぽい。でも特に何もしなかったよ、平日だったし。普段と同じように夜ごはん一緒に食べて、ちょっとイルミネーションとか見に行ってみただけ」 「イルミネーション」  晃輝はニヤニヤしながら視線を向ける。 「ほらもう~。お前すぐそういう顔する! だからあんまり話したくないんだって」 「そういう顔ってどういう顔だよ」 「ものすごい好奇の目」 「晃輝だけに」 「うるさいわ」 「プレゼントは?」  懲りずに前のめりで聞いてくるタフさは、晃輝の心地いい部分でもある。 「プレゼントは、事前に禁止された。お互いナシでって。優子さん、欲しいものは自分で買いたい派なんだって」 「めっちゃラクじゃん。あかりなんて、クリスマスくらい何かサプライズしろってうるさくて大変よ」 「サプライズ……。……そう聞くと、そうじゃなくて良かったって思っちゃうな……」  俺としては、多少高いものでもいいから何かねだってくれてもいいのにな……という気持ちがあった。優子さんに自分がプレゼントしたものを使ってほしいなって思うから。  でも、センスが優子さんの好みに合わなくてガッカリされても気まずいし、プレゼント選びはプレッシャーでもある。そういうことを初めから全面回避させてもらえたのは、ラッキーなのかもしれない。 「感じのいい人だったなぁ、ゆーこさん」 「でしょ! そうなんだよ、もうなんか、にじみ出てるっていうか……」 「わかる。俺、ひと目見て、この人なら亮弥のいいところちゃんとわかってくれる! って直感したもん」 「俺のいいところって何?」
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