第六部 二 実家にて

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 四十歳くらいってあんなに綺麗で可愛いものなの? 違う気がする。優子さんが特別な気がする。すっぴんだって、もっと年齢感じるかと思ったのに、シワらしいシワもないし。シミは、こことこことって教えられたからあるのはわかったけど、全く気にならないし。あと、本人はくすみとかたるみとかって言ってるけど、正直何のことかよくわからない。一番気にしてるのはほうれい線らしいけど、それすらも角度によっては消えちゃうレベルの浅いものだ。優子さんよりくっきりとほうれい線のある若い女子だって、普通にいる。  俺としてはほうれい線に気づくたび、優子さんも完璧じゃないんだと安心するし、むしろ愛おしいくらいだから、もっと年相応でも全然いいのになと思う。  晃輝は俺から少しでも情報を引き出せてそれなりに満足したらしく、戸田さんが待っているからと早めに帰って行った。子供が生まれたら連絡して、と言ったら、写真送るわ、と嬉しそうな笑顔を見せた。  それとほとんど入れ替わりに両親が帰宅して、ルリちゃんは晃輝のお土産に目を輝かせて喜んでいた。  
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