1人が本棚に入れています
本棚に追加
内緒だよ
ここだけの話なんだけど。
ほんとのほんとに内緒だよ。
私、本当は彼のことが好きだったの。
あの入学式の雨の日に初めて話して、笑ってあの置き傘を差し出した彼に私は一目惚れをした。
でもね。
借りた傘は小人が住んでいるくらい素敵な傘で、彼に丁寧に扱われていた。
お姫様を扱うみたいにね。
だからなにも言わなかったし、これからだって言うつもりはないの。
今でも私と彼はいい「友人」を続けてる。
そこには小さな傘の小人がいつも寄り添ってる。
ねえ、傘のこびとさん。
私、あなたなら心から祝福できるわ。
私の分まで彼と幸せになってよね。
あなたは彼の「傘のこいびと」なんだから。
最初のコメントを投稿しよう!