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緊張×安堵
刻一刻と帰宅時間が迫る、あれから二度智治の砂時計を確認した1時台・2時台、砂の色は変わらず残りの砂の量も僅かとなっていた。
智治に変化は見られない・やはり事故に・・・。
ヤッパリ今日は無し!って事にした場合、智治が絶対に来ないとは限らない。ヤッパリ確実に俺が傍で運命を変えないと。
緊張の中6時限目が終わり漸く帰路に着くことになった、少し授業と帰りの会が遅くなり遅れた為、僕は慌ててD組へ向かった・・・。
だが教室を見て僕は驚いた!智治の姿がどこにも無い。他の奴に確認したら
「さっき先生に呼ばれて職員室へ行ったよ」
僕は慌てて職員室へ、すると先生が「藤方(智治)にはクラスの休んでる子のプリントを渡すようにさっき頼んだ所だ、丁度お前の家に向かうからついでに届けると言ってくれてな!」
嘘だろ・・・スマホを見ると智治からラインが
『悪い!学校の用事で先に帰るな!後でお前の家に向かうから~宜しく!』
何でだよ!なんでいっつもタイミングが悪いんだよ!電話をかけてもつながらない!恐らく雨音のせいで気づいていない!
僕は走って駅に向かった、よく考えろ。
あの時見たビジョンは何時だ?何が見えた?ヒントは?
あの時見えたのは恐らく八汐駅の交差点、急いでいけば必ず間に合う!あの場所で待つしかない!
電車に乗り、八汐駅を降りた。大丈夫だまだ何も起きていない!瞬間ここで違和感が・・・
おかしい!?何か違う!そうだ、雨が降っていない!あの時のビジョンは雨が降っていた!
でも何で?
これから降りだすのか??
すると駅の方からサラリーマンが
「何か変な天気だな!北口の方では降ってるのに南口ではあんま降ってないな!」
ハッとして慌てて北口に走る、確かに北口では降っているが本当にコッチか?ウチは南口のはず。
すると南口の方でも雨が降り出した、【ヤッパリ!合ってたんだ!クソ!間に合うのか!?】
慌てて交差点まで走ると、250ccほどのバイクがロータリーを抜けて交差点へ。
「あのバイクだ!」
【倒れてた智治の位置を考えると・・・・右だ!】傘もささず交差点まで向かい、右に目をやると智治が!
「おい!止まれ!」僕は大きな声で智治を呼び止めて交差点から少し離れた位置に誘導した。
「何だよ!傘もささずにどうした?」ビックリした表情でキョトンとしている。
「良いから!交差点を見てろ!」すると数秒後バイクがきたが、何も起こらず。
「どうしたんだ?お前?今日何かおかしいぞ?」智治が変な目で僕をのぞき込む。
時刻は4時15分。
「いいから!そのままで居てくれ」時間が重なると智治の頭の上には白い砂時計が・・・
よかった・・・・僕は安堵につつまれた。
「なんだか解らないけど、雨強くなってきたし家に行こうぜ!」僕は促されるまま智治と家に帰った。
何にせよ、一度整理する必要がある。改めて僕は今自分の身に何が起きているのかを考える必要があった。
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