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時間×勝敗
10時試合開始の笛が鳴る。
試合は動きがなく8分経過した頃だった。相手のコーナーキックをキーパーがはじき出しこぼれ球を僕が足に収めた。すぐ様前を向き相手チームへカウンターを仕掛けた。
相手チームの戻りが遅かった為FWへのパスからシュート。
見事ゴールネットを揺らすことが出来た。
早くも先制。キャプテンからはよくやったと合図がおくられた。
試合はそのまま1-0で、前半終了間際にコーナーから追加点を奪い2-0となる。
ここで前半終了。時間は10時33分休憩は10分
監督からの指示で一度ベンチに下がり後半15分後にもう一度投入するから準備しておけと言われた。
後半は2点リードの為、スタメンを下げ1年2人と2年を3人投入。他のベンチの3年が投入された。
いつも嫌味を言う先輩が僕の代わりに左MFに入った。
正直言うと文句を言う理由はわかっていた、僕がレギュラー入りした時に代わりに落ちたのが先輩だからだ。話を聞くとそのせいで彼女が相当ガッカリしたらしい。
でも正直そんなことは関係ないんだ・・・そんな事を考えていると試合が始まった。
正直2-0格下相手だからこのまま終わると思っていたが、その瞬間・・・開始早々に1失点。
あの先輩からのミスであっという間に1点返された。監督からの叱責が飛ぶ・・・
自信を失った先輩がそのまま立ち直る事は出来ず・・・今度はカウンターから追加点を取られ振り出しに戻された。
そこで、監督から「いけるか?」の一言
僕は「はい」と短く返事をした。
軽くアップをしているとコート上の選手達の頭に砂時計が・・・
全員が白の中あの先輩の色が薄い灰色となっていた気がした。気のせいか?
15分と待たずに僕はその先輩と交代をしたピッチ外ですれ違う時、小さな声で「こんなはずじゃ・・・」と声を漏らしていた。
他の1年が緊張の中、智治が「まだ時間あるから!終わりじゃないだろ!」
と声を掛けた。
僕は1年からのスローインを受けてそのまま仕掛けた、相手も必死で食らいついてくる、一度智治に預けて逆サイドにボールがいった。そのボールを奪う為に相手選手が逆サイドに流れた次の瞬間、ダイレクトで中央にボールが・・・
それを智治がねじ込んでゴールを決めた。
思わず先輩の事忘れて、智治と抱き合った!
後半残り7分相手チームは全力で押してきたが、何とかそのまま試合終了。
僕は得点こそ出来なかったが1アシストでどうにか役目を果たせた。
最後の挨拶の時監督から「今日は暑い中皆よく頑張った。特に月岡と藤方良い動きだった!更に練習と試合をこなして全員で都大会に出よう!」
僕たちは、顔を見合わせて軽くグータッチをした。
「解散は15時!それまで各自練習」監督からの指示の後
兄さんと凌空が声を掛けてきた。
「お前ら二人とも凄かったな!めちゃくちゃ興奮したよ!」珍しく兄さんのテンションが高かった!
凌空も「智治君!最後すごかった!マジでカッケー!兄ちゃんも点決めてくれたらよかったのに!」と軽く不満を言われたけど、凄く嬉しかった!
何より、兄さんのテンションの上がった所を滅多に見られなかったから凄く嬉しかった。
「さっき母さんに電話したら、今日は二人の好きなご飯を作ってくれるってさ!」
智治は「マジですか!?そしたら・・・・俺、唐揚げ!」
「そう言えばお前ら小さい時から唐揚げ好きだよな(笑)了解!そしたら先に帰って伝えておくよ!悠馬もいいんだろ!?」
僕は軽くうなずいて、晩餐を楽しみに待った!
時計を見ると時刻は12時を回っていた。ふと先輩を思い出し回りを見ると先輩の姿はなかった。【しまった、12時にチェックし忘れた】まぁいいか・・・気のせいかも知れないし。
それに今日は実験してみたかったけど、うれしさのあまり早く帰って家族も含めて話がしたかった!
一応、一時と二時にチェックだけしておくか。
他の先輩に居場所を聞くと「アイツ顔色悪かったし、監督が早く帰らせたよ。まぁ付き添いも居たから大丈夫だろ!」と言われた。
そっか、それなら気にするのは良そう。僕は練習を再開して智治達と帰った。
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