予感×異変

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予感×異変

「おーい、悠馬!お前次のサッカーの試合MFでスタメンだって!」駅の改札を抜けた僕に後ろから健吾が声を掛けてきた。 「へぇ、それが本当なら期待に応えないと」 「何だよ、その適当な返事!うれしくねーのかよ!いいよな~将来有望な選手は・・・」 でも実際のところ、今の自分にとってはどうでも良かった。どうでもいいと言うのには語弊があるが、今はそんな事で喜べないほど自分の体に起きている異変が気になって仕方なかった。 実は僕には、ほんの少しだけ変な力がある。こんな事を言うと変な中二病とか言われそうだが、ふとした瞬間に【そんな気がする】という事が実際に起こる時がある。 誰しも経験しそうな事だけど、他人よりその感じが多い気がする。一言で言うと【予感】である。 【電話がきそう】【メールがきそう】この程度は予測や感で感じる事が出来そうだが、 決定的な違い・・・それは僕には・・・人が死ぬ。この一点に特化してこの【予感】がほぼ当たってしまう。 幼少期の頃からこの変な【予感】を感じていた。 なぜ解るか、それは時を重ねる毎にある違和感を感じることが出来た。 左目 僕の左目は虹彩異色症(オッドアイ)呼ばれ、右目は黒に対して左目は赤みがかった薄い茶色である。 幼少期は周りから気味悪がられたこの目、正直この目のおかげで僕は小4で転校するまでイジメにあっていた。だから両親の都合で転校する事が決まった時内心ホッとしていた。 親にバレたくなかったけど、兄の颯斗が察知してくれていて内緒で親にある事を交渉してくれていた。 兄の提案で親が黒のカラーコンタクトを購入し、転校先の小学校・英応中学に入学後もイジメも受けずに何とか普通に過ごす事が出来ている。 兄は勉強もスポーツも何でも熟し、一緒にいると比較されて本当につらかった。 母からは「お兄ちゃんの時はこんなに苦労しなったのにアンタは・・・」と毎日の様に言われてきたせいか、心のどこかでそんな完璧な兄に嫉妬すらしている自分が本当に許せなかった。 唯一得意なサッカーですら兄と遊ぶことすらなかった、負けた時に何の言い訳もできないからだ。 話を元に戻すと、何故僕が人の死が近い事がわかるのかという事だ。 理由は自分の見た時計の長針と短針が重なった時だけ時間にして数秒・・・人の頭上に【砂時計】が見える。その砂が無くなりそうな人が何かしらの理由で命を落とすらしい。 幼い頃誰かに話すと、大丈夫?と言われてからは、誰にも話していないし、見えるその瞬間は目を閉じるようになった。
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