2009年5月絶望と出逢う

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2009年5月絶望と出逢う

思えば、30代はめちゃくちゃで 私はその頃はまだ奥様でした。 夢中になれるものは特に無く 夫との繋がりも義務で 愛してるフリをしていた。 それが1番平和で 生きるのが楽だった。 賑わいの街から 夫の都合で東北の田舎へ 友達もいない 親戚もいない 話す人もいない お金もない そんな世界で 手っ取り早く自分を満たす方法は 裏切り 背徳 疑似恋愛 そう簡単に言えば 浮気です。 生涯夫以外のひとを愛することはないと 心に決めていたのに たった一つの言葉が 私を割いた 「俺、そんなにSEXしなくてもいい」 孤独で寂しくて 愛にすがるしか無かった私は その後から悪い女に転身します 5年数人の男性を渡り歩き 30代最後に、私の貴重な8年を捧げた 彼に出会いました。 幸せでしたか?と問われたら いや、全然と答えます 幸せの定義や 主軸を置く場所は人それぞれ 私は確かに悪い奥さんだったけど マイルールがあった 相手は独身ということ もしバレた時に、失うものは私側だけと決めていた。 奥さんや恋人がいても他の女に手を出す男は最低だと認識していた でも、出会って惹かれたのは 7歳年上の既婚者の君 音楽関係者はさすがに知り合いにもいなくて 私はすぐ彼の肩書きに夢中になる そしてもうひとつ持つ 彼のゴーストライターという才能に 何も持たない私は 興味が湧いた 始まりは愛ではなく 興味 こんな田舎に ミリオン飛ばしたゴーストライター いるんですよ あくまでゴーストライターだから 名前も出ない 入るのはお金だけ でも、彼は言ってた 「どんなにいい歌詞でも売れてる人が歌わないとヒットしない」 声とビジュアルは必要なアイテム だから 消えていくより、買われて 歌われてヒットしてくれた方がいいと 笑ってた。 どんなものも生かすと殺すは自分次第 知らない世界 知らない知識 睦みながら聞く彼の世界に溺れ この年この出逢いが いつか無駄になるなんて考えもしなかった そしてまだ私はこの頃 人の声にも興味はなく アニメもゲームもそれほど 3次元、リアルに触れられるものが全て でした
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