産まれてきた子の父親は

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出産予定日より3週間早いのに、陣痛が始まり、タクシーで、サバサバした女医さんの産婦人科に向かった。 「子宮口8cmだわ、相良さんの御主人に連絡して?」 金曜日の夕方に産婦人科に1人で駆けつけたわたし。 立ち会い出産を希望した結斗さんが、仕事を放り投げ、病院に駆けつけた。 「相良さん、いきんで」 そして、結斗さんが到着した5分後に3280gの元気な男の子が産まれた。 「こりゃ、パパ似で美形になるわ」 サバサバした女医さんが結斗の顔と赤ちゃんを見比べて行った。 身体をきれいにして貰った息子をカンガルーケアーをさせて貰った。 本当に、わたしの子なのに美しい顔をしてた。 「赤ちゃん、血液型ABだったよ。すぐに教えてって言ってたから伝えとく」 サバサバした女医さんがそういって、分娩室から出て行った。 残されたわたしと結斗と息子……。
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