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期限付きの交際
「美咲、木曜日の夜に」
玄関先で、パジャマ姿でノーメイクのまま、恋人を見送るわたし。
一応、高校時代からファッションモデルとしてcancanで読モをし、大学時代にミスキャンパスをした経歴はあるけれど、大学を卒業し、現在はレッセピッツでファッションデザイナーとしての業務につき、絶世期ほどのじょしりは無い。
そんな、わたしの恋人は、親が決めた婚約者がいる中学生時代から15年間付き合ってる未来がない人が……。
玄関先で、恋人のサンロードホテルグループの御曹司の真宮志恩(まみや しおん)を見送り、溜息をつく。
この関係を終わらせようと思いつつ、終わらせられないわたし……。
志恩が始発の新幹線で福岡に向かいからと、わたしは5時半起きてサンドイッチを作って彼を優しく起こし、送り届けるできた彼女役を演じた。
志恩とは、一生は、添い遂げられないのに……。
志恩を送り届け、着替え、メイクをし、いつもより2時間以上早くに出勤し、最近スランプ気味のレディースファッションのデザインのデッサンを描き綴った。
志恩との交際にはリミットがある。
そのリミットまで、彼の側にいたいと思うわたしもいるけれど、年を重ねる毎に、若さを失い自分の価値が無くなり婚期を失う不安に際乱れる。
27歳……志恩はもうじき、親の決められた婚約者と結婚し、わたしを捨てる。
どんなに、彼に愛されていても、この定めは逃れられない。
わたしは、志恩がした時点で身を引く気でいる。
志恩はどう考えてるかわからないけれど……。
報われない交際。
無心で、わたしは、夏向けのブラウスとスカートのデザインをデザインノートに描いてた。
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