20.過去との約束

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 楽しい日々を過ごしていた。  正確には、深く考えなければ、楽しい日々を過ごしていた。  旅行から帰って2週間程が経った日、少しばかり残業をして、会社を出ると……そこに、伊東くんの姿があった。 「……私の人生で、イケメン男性に待ち伏せされるなんて……」  私が笑ってそう言うと 「はぁ、100万回くらいあるんじゃないですか? 何回も見ましたけど、ここでイケメンが待ってるの」 「んー、伊東くんの方がイケメンじゃない? 」 「……ムカつく」 「あはは! どうしたの? 」 「飯、行きましょ」  私の返事も待たずに、彼は歩き始めた。しばらくして、振り返り 「あ、今日はイケメンさん待ってたり……」  そう言った彼に笑って言った。 「大丈夫よ」  今日は柊晴は遅くなるって言ってた。それに……伊東くんの話は察しがついてた。  ……店に入って、グラスを合わせると 「聞いてもいいですか? 」  彼の言葉に頷いた。 「仕事……更新、しないって……」 「情報早いわね」 「募集、出てましたからね。仲村さんのポジションの。あとの二方が辞める可能性は低いでしょ。と、なると……あなたしかいない」  まぁね、誰でも分かる。だけど……興味を持ってくれていたなら、誰でも分かる。そんな情報だ。
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