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楽しい日々を過ごしていた。
正確には、深く考えなければ、楽しい日々を過ごしていた。
旅行から帰って2週間程が経った日、少しばかり残業をして、会社を出ると……そこに、伊東くんの姿があった。
「……私の人生で、イケメン男性に待ち伏せされるなんて……」
私が笑ってそう言うと
「はぁ、100万回くらいあるんじゃないですか? 何回も見ましたけど、ここでイケメンが待ってるの」
「んー、伊東くんの方がイケメンじゃない? 」
「……ムカつく」
「あはは! どうしたの? 」
「飯、行きましょ」
私の返事も待たずに、彼は歩き始めた。しばらくして、振り返り
「あ、今日はイケメンさん待ってたり……」
そう言った彼に笑って言った。
「大丈夫よ」
今日は柊晴は遅くなるって言ってた。それに……伊東くんの話は察しがついてた。
……店に入って、グラスを合わせると
「聞いてもいいですか? 」
彼の言葉に頷いた。
「仕事……更新、しないって……」
「情報早いわね」
「募集、出てましたからね。仲村さんのポジションの。あとの二方が辞める可能性は低いでしょ。と、なると……あなたしかいない」
まぁね、誰でも分かる。だけど……興味を持ってくれていたなら、誰でも分かる。そんな情報だ。
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